レンタカーの目的とは?

いくら物流センターを整備しても、物流がシステムで動いていなければ、物流システムではない。
それでは、物流システムとは何か。 簡単にいってしまえば、物流システムとは「市場動向に同期化して動く仕組み」であり、具体的には「在庫の配置と移動の仕組み」である。
こう見るのが最もわかりやすい。 それでは、物流システムはどう動くのか。
ここで理解を早めるために、物流システム不在という状態における在庫の「移動」の仕方を見てみよう。 一般的には、物流センターの在庫は、営業サイドの都合により置かれている場合が少なくない。
工場に在庫を手配するのは営業の仕事というところがいまだに多くある。 この場合、営業として第一に考えるのは「欠品を出さない」ということである。
その結果、物流センターに置かれる在庫は、常に多めになるし、「売れるかどうかわからないけど、とにかく手元に持っておこう」という在庫も多くなる。 また、工場から物流センターに出荷するにあたって、トラック満載での出荷が重視される。

満載にするために、当面いらないものまで物流センターに送り込まれるということも少なくない。 物流システムができていない場合、在庫は物流部門以外の部門の都合により勝手に動かされることになる。
たとえば、メーカーを例に取ってみよう。 工場があり、各地に物流センターが配置されていたとする。
物流センターには当然在庫が置かれる。 その在庫はどのようにしてそこにあるのか。
必ずしも、物流センター側の要請に基づいて置かれているものばかりではない。 その結果どうなるか。
物流センターには、売れるかどうかわからない在庫が山と積まれることになる。 ここで考えなければならないのは、これらの在庫はすべて「移動」してきたということである。
そして、現実問題としてこれらの在庫の少なからぬ量が売れ残って滞留することになるということである。 そうなると、この滞留在庫を移動させたコスト、作業したコスト、保管してあるコストなどはすべて無駄となる。
ただ単に在庫を社内施設間移動させただけのことで、売上と結びつかないのに、コストだけが発生する。 無駄の極み以外の何ものでもない。
そこで、これらをなくすために物流システム化が図られる。 ここでのポイントは、まず各地の物流センターに配置する在庫の範囲を決めるということである。
すべての在庫を置くのではなく、それぞれのエリアでよく出荷されるものに絞り込む。 そして、在庫の量をたとえば一週間分という一定のレベルに設定する。
あとはこの量の範囲内で出荷されたものだけを補充すればよいのである。 そうすれば、工場から物流センターへの在庫移動は、物流センターで出荷があったものだけに絞られることになる。

つまり、滞留化する恐れの先ほど物流システム不在の状況を言葉で説明したが、ここで数字をもとにその実態を示し、そこから生まれている無駄について見てみたい。 レベル区分でいうと、レベル2の段階にある企業の典型例である。
ある食品関係メーカーの実例である。 この会社は、当時、全国に十数カ所の物流センターを持っていた。
そのうちの都内にある一カ所の物流センターを対象に簡単な在庫調査を行った。 どんな調査かについてはこれから紹介するが、その結果は担当者を悟然とさせた。
驚くべき結果が出たからである。 簡単な調査ではあるが、それが示す実態は、まさに物流管理の遅れを端的に示したのである。
その調査は、物流センターからの出荷状況を調べただけである。 まず、個の在庫アイテムごとに月間何日ある在庫は一切動かないのである。
移動が最小化されるということである。 本来、物流システムはこのような動き方をするものなのである。

「市場への出荷動向」という一つの起動情報で物流全体が動かされるわけである。 そこには、各部門の都合など入り込む余地はない。
まさに、物流をシステムとして動かすということである。 レベル3の「物流システムの段階」とは、このような物流システムが動いていることを意味する。
物流システム不在がもたらす驚くべき無駄物流を市場動向に同期化させるそれはともかくとして、出荷日数ごとに在庫アイテムをまとめ、出荷対応日数で各アイテムをプロットしている。 ところが、この物流センターの場合、出荷対応日数が一○○日分を超えるアイテムからほとんど数日分しかないアイテムまでばらついている。
このことは、在庫量について何の出荷があったかを調べた。 「月間出荷日数」である。
次に、同じく在庫アイテムごとに月間どれくらいの出荷があったかを調べた。 「月間出荷量」である。
出荷量の単位はその商品に合う単位であれば何でもよい。 そして、月間出荷量を月間出荷日数で割って「一日当り出荷量」を出した。
最後に在庫アイテムごとに「在庫量」を調べた。 調査月の月末時点の在庫量で結構である。
そして、この在庫量を先に計算した。 日当り出荷量」で割る。
これが「出荷対応日数」と呼ばれるものである。 これは「現在の出荷状況において、いまある在庫量であと何日分の出荷に対応できるか」という数字である。
在庫管理上極めて重要な数値である。 逆にいえば、この数値を日常的にとらえていないとなると、その会社は在庫管理不在といってよい。
出荷日数物流を市場動向に同期化させるこのことは、出荷日数を見てもわかる。 在庫アイテムの四○%弱が調査月の間、まったく出荷がなかった。

この「出荷なし」アイテムについて、個に調べてみると、「時期的な要因によりいまは出荷はないが、この先まだ出荷される可能性があるというアイテム」も若干はあったが、その多くは、おそらく今後も出荷は期待できないと思われる商品であった。 つまり、売れ残りといってよい商品である。
このような在庫実態は、このセンターだけではなく、他のセンターにも見られた。 在庫について管理不在なのだから当然である。
売れもしないものが各地の物流センターに置かれ、出荷対応日数で何十日分にもなる在庫が数多くあるのである。 別の食品以外のメーカーの調査では、出荷対応日数が何年分、何十年分にもなってしまう商品が少なくなかった。
物流システムが導入されていない企業では、めずらしくない事態である。 ここには、売れもしない商品を運んだ無駄、売れもしない商品を置いてある無駄、また、それらを他のセンターに転送する無駄、結局処分したり、工場に戻したりする無駄等がのである。
基準もルールもないことをあらわしている。 本来、在庫量は出荷量に合わせて準備すべきであるが、出荷量とは無縁の形で在庫配置がなされている。

それが、このバラツキとなってあらわれている。 つまり、先に述べた社内各部門の都合や思惑で在庫が動かされている。
さて、このような無駄を排除するために導入されるのが「物流システム」である。 ある目的に合わせて物流を構成する各要素を連動させるということである。
その目的は、前述したように、市場動向に同期化させることである。 具体的にいえば、「市場が要求する商品を、要求するタイミングで、要求する量だけ動かすこと」である。
では、物流システムの動き方について具体的に説明しておこう。 そのメカニズムは極めて単純である。
たとえば、物流センターに一週間分の在庫を置くと決めたとする。

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